加熱式たばこ増税、18年度税制改正で検討 紙巻きと税負担に差

インタビューに答える自民党の宮沢洋一税調会長=7日、東京・永田町の党本部
インタビューに答える自民党の宮沢洋一税調会長=7日、東京・永田町の党本部【拡大】

 自民党の宮沢洋一税制調査会長は7日、フジサンケイビジネスアイなどのインタビューに応じ、通常の紙巻きたばこより税負担が軽い「加熱式たばこ」の増税を2018年度税制改正で検討すると表明した。所得税改革では、所得格差の広がりや多様な働き方に対応し、年内に一定の方向性を出すことに意欲を示した上で「かなり慎重に議論を進めないといけない」とも指摘した。

 自民、公明両党は秋以降、税制改正議論を進め、年末に与党大綱をまとめる。安倍政権が重視する人材投資を後押しする企業減税などが柱で、全般に小粒な改正となる見通し。所得税も増税となる高所得世帯の反発が予想されるため、改革の方向性を確認するにとどめ、抜本的な改正は先送りされる公算が大きい。

 新型たばことして最近普及し始めた加熱式は税法上「パイプたばこ」に分類。1箱当たりの税額が紙巻きより小さく、国内で販売されている3商品の間にも税負担に差があることが問題視されている。宮沢氏は「年末までに答えを出していかないといけない」と述べ、課税方式などを見直す考えを示した。

 所得税改革は第1弾として、17年度改正で配偶者控除の適用拡大を決めた。宮沢氏は今後の課題として、高所得者ほど減税額が大きい「所得控除」方式の見直しを挙げた。サラリーマン向けの給与所得控除についても「国際的に言えばかなり高い水準にある」とし、会社に属さずに働く人との公平性の観点から見直す必要があると語った。

 政府が検討する幼児教育・保育の無償化の財源については「税制そのもので直接対応するものは恐らくない」と話した。森林整備費用を賄う新税「森林環境税」に関しては、19年10月に消費税増税が予定されていることに触れ「(重ならないよう)導入時期を注意しなければいけない」と強調した。