政府は12日開いた未来投資会議(議長・安倍晋三首相)で、6月策定する成長戦略の骨子を発表した。新たな柱として、革新的な事業育成のため一時的に法規制を適用しない新たな規制緩和制度の創設を盛り込んだほか、国際的なイノベーション(技術革新)競争を勝ち抜く人材力の抜本強化を掲げた。安倍政権の掲げる「第4次産業革命」の加速につなげる狙いだ。
政府は骨子をもとに成長戦略の原案をまとめ、6月上旬に閣議決定する。
骨子は日本の強みをいかせる戦略分野として、人工知能(AI)などを活用した医療・介護による「健康寿命の延伸」などを提示。実現を後押しする手段の目玉として英国などを参考にした新制度「日本版レギュラトリー・サンドボックス(規制の砂場)」創設を明記した。同制度は企業の新規事業を社会実験として扱い、期間中に法規制に抵触しても是正を求めない制度。もともと法規制が想定していなかった新分野のビジネス創出を支援する。
骨子ではこのほか、実践的教育の拡充を通じたIT人材力強化や、観光、スポーツの活性化によるローカルアベノミクス(地域経済活性化)推進も挙げた。