政府の未来投資会議(議長・安倍晋三首相)が12日の会合で、革新的事業を育成するために法規制を一時的に適用しない新たな規制緩和制度の創設を提言することが10日、分かった。IT、金融などの新部門で法制度が想定しないビジネスに挑戦する企業を支援し、経済成長につなげる。提言を踏まえて政府は具体的な制度の整備に着手し、6月にまとめる成長戦略に反映させる。
創設を提言するのは英国などの金融部門で導入されている「レギュラトリー・サンドボックス(規制の砂場)」の日本版。企業の新規事業を社会実験として扱い、期間中に法規制に抵触することがあっても行政側が是正を求めない制度。企業は事業内容を事前に所管官庁と話し合い、期間中は個別に指導を受ける。
提言では、イノベーション(技術革新)を付加価値創出につなげるため社会実験による試行錯誤が必要だと指摘。電波法を緩和し、高速PLC(電力線通信技術)を屋外で使った防犯、見守りビジネスの創出などを想定している。
このほかに、第4次産業革命に対応する人材強化のため、今後2、3年程度で取り組むべき「IT力強化集中緊急プラン」の策定なども提言する。