自民党はカジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)整備推進法案について、6日に衆院を通過させる方針で、早ければ9日に参院本会議で成立させたい考えだ。民進党など野党は審議が拙速な上、ギャンブル依存症増加などの懸念が解消されていないとして、安倍政権の対応を追及、批判を強める。慎重審議を求めていた公明党は意見集約できず、自主投票で臨む。
自民党は衆院通過後、参院内閣委員会の定例日である8日に審議入りさせる構え。衆院と同程度の約6時間の審議時間を確保し、9日の参院本会議での採決へ向けた環境を整えたい意向だ。8日の委員会に先立つ7日の参院本会議で趣旨説明と質疑を行う案もある。
野党は、わずかな審議時間で衆院内閣委での採決に踏み切った自民党に対し「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や年金制度改革法案の採決と同様、数におごった手法だ」(民進党幹部)と猛反発。参院で審議を担う内閣委員長ポストを握る民進党は丁寧な議論を求めており会期末の14日まで攻防が続く可能性もある。
TPP承認案と関連法案は5日、参院TPP特別委員会で安倍晋三首相が出席する集中審議を開催。6日には参考人質疑を実施。与党は9日の参院本会議での成立を目指す。