長期金利が上昇すれば、マイナス金利で悪化した金融機関の収益改善につながる。個人も運用の幅が広がる半面、住宅ローンなどの負担が増える懸念もある。
一方、円相場は予想外のトランプ氏勝利で9日に一時1ドル=101円19銭まで急騰したが、その後は米長期金利の急上昇を背景にドル買い円売りが加速。16日の東京市場では一時1ドル=109円50銭をつけ、節目の1ドル=110円が見えてきた。この1週間で8円超も円安ドル高が進んだ。
日経平均株価も9日に前日比919円84銭安と急落したが、同日の米国株が大幅高となったことで潮目が変わり、10日以降はほぼ一貫して上昇。円安ドル高も追い風となり、16日の終値は前日比194円06銭高の1万7862円21銭と、1月6日以来の1万8千円台を射程に捉えている。
ただ、円安・株高が急ピッチで進んだため、短期的な過熱感も生じている。また、ドル高基調が続けば米製造業の輸出や収益、雇用には逆風となるため、トランプ氏や周辺から牽制発言が出る可能性もある。そうなれば一転して円高ドル安に転じ、平均株価が下押しされかねない。(森田晶宏)