しかし一方、化粧品や小さな魔法瓶などの家電製品に比べて、価格が安いものはいまだに大幅に売上げが伸びています。
それにはもちろん理由があります。
ひとつは、以前は1人民元=20円程度まで人民元高(円安)が進んでいたのが、現状では15~16円程度です。以前に比べ2割以上、日本で買うものの値段が上がっているのです。転売目的で電気釜を5つとか買っていた人が、内外価格差が縮小し、転売メリットがなくなったために、日本での家電製品などの購入を抑えているのです。
さらには、中国当局は宝飾品や高級時計などの関税率を30%から60%へと大幅に引き上げました。多くの訪日中国人が使う銀聯カードの海外での現金引き出し上限額を、1日1万元(約16万円)、1年で10万元(160万円)に制限したのです。
これした措置にはもちろん背景があり、そこをきちんと理解しておくことが大切です。まず、中国の外貨準備(政府、中央銀行が保有する外貨)がピークの4兆ドルから直近では3.2兆ドルまで、激減と言っていいほど減っていること。