【人民元国際化】海外企業の進出熱冷ます中国のえこひいき 自国に有利な規制…遠のく世界の信認 (3/4ページ)

 エスビー食品は昨年、中国でカレールーなどの現地生産を取りやめた。東日本大震災後の規制強化で、日本からの原材料の調達が難しくなり品質を守れなくなったためだ。

 だが、企業が撤退しようとしても、当局の規制が足かせとなる。日中経済協会など財界トップらで組織する訪中団は9月、商務省との会合で撤退ルールの整備などを求める要望書を手渡した。外資企業が進出する際は、一元化した窓口で迅速に手続きできる。だが、撤退時は行政府の複数の部署での認可が必要となり、長期にわたって撤退できないケースもあるという。

 「投資促進には、ビジネス環境の整備が必要だ」

 経団連の榊原定征会長はこう強調する。

 通常の建物の3階分はある、吹き抜けのような巨大な会議場。9月に中国で開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議で、安倍晋三首相は同席した萩生田光一官房副長官に話しかけた。

今後1~2年のうちに中国事業を「縮小」または「移転・撤退」すると答えた企業は…