築地市場(東京都中央区)の移転先となる豊洲市場(江東区)の主要施設下に土壌汚染対策の盛り土がなかった問題は、東京都の内部調査で責任者を解き明かせぬまま、舞台は都議会での審議に移る。都議会の一部会派から豊洲整備に携わった石原慎太郎元知事のほか、都庁の元幹部の参考人招致を求める動きが出ているが、会派間の温度差もあり、真相解明の機会として実現するか注目される。
小池知事が激怒
「一体どういうことなのか」
リオデジャネイロ・パラリンピックの閉会式(日本時間9月19日)に出席後、帰国のためドイツ・フランクフルトの空港に待機していた小池百合子知事に、豊洲市場に絡む1本の報告が入った直後、小池知事はこう語気を強めた。
豊洲市場の環境影響評価(アセスメント)の実施後、都の中央卸売市場がアセスメントを担当する環境局側に、盛り土がないことを伝えていなかったとする報告。市場側は盛り土以外の計画変更については細かく環境局側に伝えていただけに、その事実について小池知事が激怒したというのが真相だ。
「盛り土の有無で環境アセスの方法も変わるはずで、知事は市場が盛り土がない事実を隠すため、故意に報告しなかったとの疑いを強めたのではないか」。幹部の一人はこう話した。