第192臨時国会が26日召集され、安倍晋三首相は衆院本会議で所信表明演説を行った。今国会で重要課題となる環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の早期発効と、農業改革に取り組む決意を表明。天皇陛下の「生前退位」をめぐり、有識者会議で議論を進める考えを示した。自身が意欲を示す憲法改正に関しては、改憲案を国民に提示するのは「国会議員の責任」として、与野党を超えて衆参両院の憲法審査会で議論を深めるよう呼び掛けた。
首相は演説で、農林水産物の輸出が3年連続で過去最高を更新したことに触れ、「農政新時代の扉を開くのは改革だ。農家の所得を増やすため、生産から加工・流通まであらゆる面での構造改革を進めていく」と説明。TPPの早期発効が「大きなチャンス」となると位置付けた。
経済政策では、世界経済の失速回避のため「事業規模28兆円を超える経済対策を講じる」と強調。アベノミクスを加速し、デフレ脱却を目指す姿勢を鮮明にした。2020年度に基礎的財政収支を黒字にする財政健全化目標については「堅持する」と明言した。