東京都の小池百合子知事は31日、都庁で記者会見を開き、11月7日に予定していた築地市場(中央区)から豊洲市場(江東区)への移転延期を正式に表明した。9月1日に設置する「都政改革本部」で、移転計画の経緯や5884億円にまで膨らんでいる総事業費を検証する考え。
小池知事は移転延期の理由について「安全性への懸念」「費用の増大」「情報公開の不足」の3点を挙げた。
市場の移転延期や新たな開場日は知事の判断で決定できる。だが移転計画を推進してきた都議会最大会派の自民党などの反発は必至。築地の跡地を通り、2020年東京五輪・パラリンピックの競技会場が集中する臨海部と都心部を結ぶ環状2号線の整備計画に影響が出る可能性もある。
豊洲市場は東京ガスの工場跡地に建設され、都は土壌汚染対策を進めてきたが、一部業者らの不安は根強く、交通アクセスや店舗の狭さに問題があるとして延期を求める声が上がっていた。