政府・与党は、2017年度税制改正で専業主婦世帯などの税負担を軽減する「配偶者控除」の見直しを検討する。自民党の二階俊博幹事長が30日の会見で表明した。共働き世帯にも恩恵が及ぶ「夫婦控除」を18年1月にも導入する案が有力だ。配偶者控除は、専業主婦やパートで働く妻の年収が103万円以下なら、夫の課税所得から38万円差し引ける。だが、共働き世帯の数は1997年に専業主婦世帯を逆転しており、不平等感がある。
年収103万円を超えないように就業調整するパートの主婦も多く、二階氏は配偶者控除見直しについて「時代の変化や周囲の状況を考え、税制面で支援していく現れだ。党としても支持したい」と述べた。
有力視される夫婦控除は、夫婦であれば妻の収入にかかわらず、一定額を夫の収入から差し引く。控除の方式も所得から一定額を差し引く現行の所得控除を、税額から一定額を差し引く税額控除に切り替え、低所得者への恩恵を大きくする方向だ。
ただ、見直しは税収中立が前提だ。配偶者控除は1500万人が利用し、財源は6000億円程度。全ての夫婦世帯に減税対象が広がれば、世帯ごとの控除額は今より小幅になる可能性が高い。二階氏は「専業主婦世帯に大きな負担にならないよう考慮すべきだ」と語る。
限られた財源の中で低・中所得世帯の控除額を確保するため、高所得世帯の控除を小さくする検討なども行う。