菅義偉官房長官「補正予算を1日も早く成立させる」 アベノミクス「あと一歩」

会見する菅義偉官房長官=30日午前、首相官邸(斎藤良雄撮影)
会見する菅義偉官房長官=30日午前、首相官邸(斎藤良雄撮影)【拡大】

 菅義偉官房長官は30日、東京都内で講演し、「1日も早く補正予算案を成立させ、経済対策を実行に移していくことで、デフレ脱却の目標を何としても達成したい」と述べ、9月召集の臨時国会で、28兆円規模の経済対策の財源の裏付けとなる平成28年度第2次補正予算案の早期成立を目指す考えを示した。

 菅氏は安倍晋三首相の経済対策「アベノミクス」について、雇用環境が改善する一方、少子高齢化の進行や潜在成長率の低下を背景に「消費がなかなか伸びず、企業は賃上げや投資に向かってくれない」として「あと1歩のところだ」と評価した。

 その上で、9月に日銀が予定している政策検証を「黒田(東彦)総裁は2%の物価安定目標の実現に何が必要か、総括的点検をすると明言している。日銀としっかり連携し、経済再生につなげたい」と述べ、デフレ脱却には、労働市場改革などを盛り込ん政府の経済対策と日銀の金融政策の協調が不可欠との認識を示した。

 一方、為替の動向に関し、菅氏は「私が財務省、金融庁、日銀との3者の定期会合を指示した。為替には常に最大の関心をもって注視している」と指摘。「過度な市場の動きには断固として対応できる体制をしっかり取っているし、常に準備している」と述べ、外国為替市場で急激に円高が進めば、円売り介入も辞さない可能性を示唆した。