内閣府が8日発表した6月の景気ウオッチャー調査は、街角の景気実感を示す現状判断指数が前月比1.8ポイント低下の41.2となり3カ月連続で悪化した。指数の水準は、安倍晋三政権発足直前の平成24年11月以来、3年7カ月ぶりの低さとなった。英国の欧州連合(EU)離脱問題が円高に拍車をかけ、訪日客減少によるサービス業低迷や、製造業の業績悪化などを不安視する声が拡大した。
基調判断は前月と同じ「弱さがみられる」に据え置き。現状判断指数は好不況の判断の分かれ目となる50を11カ月連続で下回った。
2~3カ月先の見通しを示す先行き判断指数は、5.8ポイント低下し41.5。2カ月ぶりの悪化で、低下幅は消費税増税直前の26年2月(9.0ポイント)以来の大きさだった。地域別では、四国、九州を除く9地域の現状判断指数が低下した。
北海道のホテルは「円高傾向が続き、団体の外国人観光客を中心に集客が落ち込んでいる」と指摘。東海の製造業は「英国のEU離脱問題で円高進行が見込まれ、製造業の状況は厳しい」とした。このほか熊本地震や天候状況の悪影響を指摘する声もあった。
調査は6月25~30日に行われ、英国のEU離脱は直前の24日に決まった。