ただ、最近では富裕層を中心に冒険的な要素がある旅行先や遠隔地を選択するケースも増えてきたようである。欧米諸国はいうまでもなく、アフリカや南米にも果敢に足を踏み入れるようになったのだ。中国人はどこにでもいると言われるゆえんである。
こびを売ってまで“爆買い”取り込みたい?
海外を旅行すると、犯罪に巻き込まれる危険が確実に高まる。それは中国人も例外ではないようだ。欧州諸国でも、中国人観光客が犯罪被害を受けるケースが近年増えているという。そんな中、毎年300万人以上の中国人観光客が訪れるイタリアでは5月から、ミラノとローマで制服姿の中国人警官4人が街頭で巡回し、地元警察と情報を共有して中国人観光客のトラブル解消や犯罪被害の報告などを手助けする制度が始まった。CNNや中央日報など複数のメディアが報じている。
イタリアのアルファノ内相は記者会見で、「合同巡回査察は中国人観光客に安全だという認識を高めてもらうために用意した欧州初のサービス」と強調した上で、「効果が良ければほかの都市に拡大する予定」と明らかにした。
中国人観光客が世界各地の旅先で昨年使った金額は24兆円以上にのぼったという。日本や韓国などは言うに及ばず、世界中で“爆買い”繰り広げているのだ。イタリアもこびを売ってまでその恩恵を受けたいのだろう。
しかし、考えてみると恐ろしい話だ。中国公安部の管轄下にある警察組織の人間が外国の街を巡回査察するのである。中国政府には別の目的があるのではないかと、勘ぐってしまう。