安倍晋三首相は1日、通常国会閉会に合わせて記者会見し、来年4月に予定している消費税増税を2019年10月まで再延期すると正式表明する。首相官邸が1日午後6時に会見すると発表した。自民、公明両党は31日、再延期に向けた党内手続きを終えた。
◇
麻生太郎財務相は31日の閣議後会見で、消費税10%の2年半先送りについて「首相が最終的に適時適切に判断するものだと思っている」と述べ、受け入れる考えを示した。そのうえで、財政健全化目標の堅持などを強調した。麻生氏の発言から背景や今後の課題を探る。
《個人消費が伸びておらず、再増税は今の時期ではない》
麻生氏が消費税の再増税の判断で重視したのが国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費だ。アベノミクスを背景にした企業業績の改善などで雇用・所得環境は改善しているが、2015年度GDPで個人消費は前年度比0.3%減。14年4月の消費税率引き上げ以降、新車販売などが伸び悩んでいる。再増税で個人消費がさらに減退すれば、経済成長の重しになる。