経済同友会の小林喜光代表幹事は31日の会見で、安倍晋三首相の消費増税再延期方針について、「消費税率8%のままで、2020年段階での国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を黒字化するエビデンス(根拠)を定量的に国民に示すべきだ」と、財政健全化目標の達成が重要だとの認識を示した。首相の先送り判断については「国民の7割が先送り賛成という中での政治判断」と理解を示した上で、「参院選に勝つために、(増税という)余計なことをして消費が減ってデフレ状態になることを恐れた」と推測した。
増税先送りの影響については、財政問題のほかに「(首相が伊勢志摩サミットで現在の経済状況がリーマン・ショック前と似た状況とし)日本経済、世界経済が悪くなるということで個人は貯蓄を増やす。社会保障についても、削減されるのではということで貯蓄に回ることになって、消費拡大の逆回転の可能性がある」と指摘した。
また、「これだけの支持率の高い政権で消費税率を上げられないということは、他の政権ならおよそ無理だなと思うのが当然」とも述べ、懸念を示した。