対策案は数多く盛り込まれたが、残念ながら具体化には時間がかかりそうなものも多く、優先順位もない。改善策の柱の一つといえる配達時刻の事前予約制度やコンビニエンスストア店舗での受け取りにしても、ネット通販の注文時に配送日が決まっていなければ機能しない。
結局、現状では「宅配便を受け取る人が留守」なら手詰まりになるところに解決の難しさがある。それならば、対面手渡しを必要としない荷物を増やすことが特効薬になるのではないか。さしあたっては「メール便」や「定形外郵便」など、ポストに投函(とうかん)できる宅配荷物を増やすことだ。
これには、ネット通販事業者が状況を理解して前向きに取り組む必要がある。例えば、切手サイズのSDカードや定期券ほどの大きさのプリンター用インクカートリッジをノートパソコンが1台そっくり入るような大きな段ボール箱に入れて配送されてくることが多々ある。いかにも配送効率が悪そうだし、小さな箱で十分だ。
もちろん高額な商品や急ぎの場合などは手渡しでの確認が欠かせないのだろうが、ポスト投函でも問題ない品物は多いはず。書籍ではコミックス、文庫本、新書などがよくポスト投函で配達されている。