日銀は27日、2017年度までの成長率や物価見通しについて議論した4月末の金融政策決定会合の議事要旨を公表した。会合では、2%の物価上昇率目標の達成時期を「15年度を中心とする期間」から「16年度前半ごろ」に先送りしたが、複数の政策委員が「見通し期間中には2%程度には達しない」と述べ、達成時期がさらに遅れるとの認識を示していたことが分かった。
白井さゆり委員は「16年度を中心とする期間」に、佐藤健裕委員は2%に「達する時期」から「見通せる時期」に、木内登英委員は予想物価上昇率見通しについて「2%程度に収れんしていく」から「安定的に推移する」などと修正案を出したが、いずれも反対多数で否決された。
物価が下振れする原因として、複数の委員が個人消費の回復の鈍さを指摘。そのうち1人は「デフレマインドが定着した消費者にとって、物価上昇に対する抵抗感が強かった」との見解を示した。「賃金上昇の恩恵が年金生活者には及びにくかった」との意見も出た。