甘い言葉に誘われた投資家から集めた資金の多くは地方政府や第三セクター、民間企業による不動産開発プロジェクトに回されてきた。土地はすべて国有の共産国家にあって、農民から半強制的に農地を安価収用、マンションや商業施設などを業者に開発させて高値売却する手法だ。
ただ、この過程でシャドーバンキング関連の金融商品の担保となっている不動産の市況が悪化し、売れ残りがヤマ積みとなれば資金繰りに行き詰まる開発プロジェクトが出る。地方政府でデフォルトの連鎖反応が起きれば金融システムも傷つきかねない。
人民銀行は今回の利下げについて、「金融政策の方向性は変わっていない」としながらも、「臨機応変に小刻みの調整を行い、適切な金利水準を保つ必要がある」とも説明し、追加利下げの可能性をにじませている。2年4カ月前の緩和局面でも利下げは1カ月間で2度におよんだ。