【日曜経済講座】上海支局長・河崎真澄
■改革路線への期待粉砕も
「このタイミングは意外でしたね」。香港の繁華街で金融機関の幹部2人と会食していた11月21日午後7時(日本時間同8時)すぎ。ほぼ同時に記者(河崎)を含む3人の携帯電話に着信したのは、中国人民銀行(中央銀行)による貸し出し・預金の基準金利の引き下げの決定を知らせるフラッシュニュースだった。
2012年7月から動きのなかった中国の政策金利。だが、李克強首相らが一貫して金融緩和に慎重な姿勢を示しており、同席した金融機関の幹部は利下げは予想外だったと何度も首をひねった。
経済政策の微調整で苦境を乗り切ろうとしていた従来路線とは明らかに異なる。中国共産党政権が翌年の経済政策を討議する1年に1回の中央経済工作会議を12月初めに控え、成長重視か構造改革優先かをめぐり、路線対立が起こっている可能性がある。