与党税制協議会は29日、生活必需品などの消費税率を低く抑える「軽減税率制度」に関して、全国知事会など19団体から意見を聴き、7月から始めた合計5回、62団体に対する意見聴取を終えた。産経新聞の集計では、制度導入に賛成したのは24団体、反対は26団体、賛否を明確にせずに意見などを表明したのは12団体だった。与党は、意見聴取の結果を踏まえ制度設計に向けた議論を本格化、年末に導入可否を判断する。
制度導入に対して農漁業や食料関連、住宅、新聞・出版などを中心に軽減税率の適用を求める要望が強くあった。一方、経団連や連合のほか、税理士や中小企業、流通業の団体からは反対意見が相次いだ。軽減税率の対象を線引きする難しさや事務負担増への懸念、税収減の穴埋め策などの課題が浮き彫りになった。
29日の聴取でも、賛否が分かれた。日本生活協同組合連合会や日本パン工業会などが「低所得者対策に制度が必要」として導入を求めた。一方、日本保育協会や全国老人福祉施設協議会などは、制度を導入した場合の財源に対する不安などから、反対を表明した。
与党税協は6月に軽減税率の対象として飲食料品を優先して検討する方針を示し、酒と外食を除く場合など8案を公表。納税事務に関しては4パターンを提示した。関係団体への意見聴取では、これらの案をたたき台に課題などを聞いた。