2008年から始まった制度だが、なぜ今になって話題になっているかというと、各自治体が寄付してくれた人へのお礼として、地元の特産品を送るようになったからだ。ふるさと納税のポータルサイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンク社長の須永珠代さんはこう解説する。「当初、特産品を用意する自治体はそれほどなかったのですが、2010年あたりから徐々に増え、今では全自治体の約半数が特産品などの特典を導入しています。最近は豪華な特産品がメディアで取り上げられ、多額の寄付を集める自治体が増えました」
たとえば、鳥取県米子市では3000円以上の寄付者全員に、6000円相当の地元企業協賛品セットを送付。これに加え、1万円以上だと大山地鶏やカニ製品など5000円相当の特産品も選べる。これが雑誌やテレビで取り上げられて大反響となり、昨年末のひと月半だけで1億円の寄付を集めたという。
こうした動きに触発され、新たに特典を導入したり、特産品を充実させたりする自治体も増えている。宮崎県の三股町では、昨年10月に初めて宮崎牛、宮崎県産黒豚などの特産品を導入したところ、それまで年間13万円程度だった寄付金額が、3カ月足らずで1000万円に到達。その成果にうれしい悲鳴を上げている。