■本紙調査 懸念は取引先の減額要請
消費税率の引き上げを目前の4月1日に控え、フジサンケイビジネスアイが中小・ベンチャー企業を対象に行った緊急調査によると、増税分を価格に「全て転嫁できる」とした企業が全体の約6割と、1997年の前回増税時よりも円滑に転嫁の準備が進んでいる実態が明らかになった。一方、「一部転嫁する」「全く転嫁できない」も合計で約4割にのぼり、コスト増を嫌う取引先の圧力があることをうかがえる。増税実施から5月にかけ、代金の支払い段階で取引先から減額要請が顕在化する懸念も指摘されており、先行きは予断を許さない面もある。
調査は12~19日、中小・ベンチャー企業を中心とするイノベーションズアイ会員企業を対象にインターネットを通じて実施し、97社から回答を得た。
それによると「全て転嫁できる」とした企業は約57%と半数を超え、「一部転嫁」は約25%、「全く転嫁できない」は約18%だった。単純比較はできないものの、日本商工会議所が2011年に行った調査では、前回の消費税増税時(1997年4月)に、売上高が年1億円以下の中小企業の5割以上が、一部またはほとんど転嫁できなかった状況よりも、順調といえる。