また、国内で作り出された財(モノ)とサービスの合計にあたる実質国内総生産(GDP)も、昨年10~12月期は年率換算で前期比0.7%増と、5四半期連続でプラス成長となり、景気の改善は進みつつある。
前回の消費税増税に先立つ経済指標も、同様に好調な数字がめだつ。97年2月の消費者物価指数はプラス0.4%、有効求人倍率は0.74倍と今年の数字には及ばないものの堅調で、96年10~12月期もGDPは年率で6.1%増と、現在よりもさらに高い成長率を示していた。
公共事業が支え
ただ、97年10~12月期からGDPは3四半期連続でマイナス成長となり、その後日本はデフレスパイラルに陥った。その要因の一つが、財政規律の維持に向けた公共事業の引き締めだ。
97年度の公共事業費は9兆7447億円(当初予算ベース)で、2014年度の予算(5兆9685億円)に比べ規模は大きい。だが、財政規律を優先した政府は、補正予算で公共事業の過度な積み増しを避けた。その結果、GDPにおける公共投資は97年10~12月、98年1~3月期には年率換算で20%超も落ち込んだ。