【躍動 メコン】風土に溶け込み 日本企業活躍 (3/5ページ)

2013.11.29 05:00

 もともと2001年にベトナムに進出したプラスチックマグネットの専門メーカーのマグエックスの阿部城士社長が、現地でのオフィス用品需要が高いことに目をつけ、関連ビジネスを思いついたのがきっかけだ。日本で同様の通販ビジネスを展開する企業と取引があったことも、ベトナムでの通販ビジネス立ち上げを後押しした。

 当時、ベトナムでは小売業への外資参入は認められておらず、そこで小売ではなく、企業を相手にしたBtoBとして07年に設立にこぎつけた。

 ベトナムでのブランド名は、ベトナム人社員の発案で「クイッククイック」を意味する「ニャンニャン」と決まり、翌年には、オフィス用品に特化したカタログの第1号ができた。第1号のアイテム数は、約1200だったが、今年13年版では約5100にまで増えた。

 ただ、当初から順調だったわけではなかった。なにしろベトナムでは初めてのビジネス形態なので、日本人はともかく、現地のベトナム人に受け入れてもらうのは時間がかかった。

 それがいまでは、「転職したベトナム人から、前の会社で使っていて便利だったので、といって別の会社から注文が来るようになった」(クイッククイックの一柳大輔社長)という。

 現在、ホーチミン周辺に配達区域を限り、毎日60~65社に配達している。地元の運送業者とほぼ独占的に契約しているが、クイッククイックの社員が各トラックに同乗することで、配達を確実に行う。購入履歴をオンラインで管理し、企業からの問い合わせにもすぐに応じることができる。

 「ベトナムでは発注担当者が業者に賄賂を要求することも多い。ウチを利用することで経理処理が透明になり、管理者だけでなく、疑われたくない担当者にも好評です」(一柳氏)

 現在の社員は40人。倉庫も手狭になり、来年中には業務拡大に伴い移転する計画だ。

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