北方領土「主権渡せぬ」 プーチン露大統領側近が強調、安倍晋三首相とも会談

 
記者会見するロシアのマトビエンコ上院議長=1日午後、東京都内のホテル

 安倍晋三首相は1日、ロシアのマトビエンコ上院議長と官邸で会談し、12月15日にプーチン大統領と山口県で行う日露首脳会談の成功に向け、両国間の協議を加速させる方針で一致した。プーチン氏側近のマトビエンコ氏の来日は、日露首脳会談に向けた地ならしの意味合いがあるとみられる。首相は「日露は大規模な潜在力を持った国だ」と関係強化に意欲を示し、マトビエンコ氏は「両国関係は前向きな方向に進んでいる」と応じた。

 ただ、マトビエンコ氏は1日、都内で記者会見し、日本が返還を求める北方領土について、ロシアは主権を渡すことはできないと指摘した。北方領土での共同経済活動に日本側が参加することは歓迎の意向を示す一方、活動は「ロシアの主権と法の下で行われなければならない」と述べ、北方四島の主権を日本側に引き渡すことはない考えを強調した。