東京都知事選、あす告示 鳥越氏、野党統一候補に「改憲の流れ変える」

 
東京都知事選に出馬する意向を表明した、鳥越俊太郎氏=12日午後、東京都千代田区(寺河内美奈撮影)

 舛添要一前東京都知事の辞職に伴う都知事選(31日投開票)が14日、告示される。安倍政権に批判的なジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)が12日、都内のホテルで記者会見を開き、「改憲の流れを変えたい」などと出馬を表明した。民進、共産、社民、生活の野党4党の幹事長らは国会内で会談し、「都政の刷新」のため鳥越氏を支援することで一致した。一方、前回選で共産党などの支援を受けた元日弁連会長の宇都宮健児氏(69)は出馬の意向を堅持しており、野党も分裂含みの状態となった。

 鳥越氏は記者会見で「あらゆる市民と連合し、手を組み、選挙を戦いたい」と訴えた。出馬の動機については「参院選の結果を受けて、昨日(11日)の夕方ごろに決めた。戦争を知るものとして、改憲の流れを変えたい」と述べた。選挙公約は作成中として示さなかった。

 これを受け、民進党都連が11日に出馬要請していた元経済産業省課長の古賀茂明氏(60)は「鳥越氏の応援をしたい」と出馬を辞退。鳩山邦夫氏の元公設秘書で元ジャーナリストの上杉隆氏(48)も12日に都庁で出馬表明したが、「都政をよくするためなら(野党共闘の)話し合いに応じる」と述べ、撤回に含みを残した。

 3回目となる立候補を予定していた宇都宮氏は都内で鳥越氏と会談。報道陣に「いまのところ出馬の意志は変わっていない。(鳥越氏は)都政でなにをしたいのか。支援してくれている仲間が納得できる対応を取りたい」と述べた。

 一方、自民、公明両党は元総務相の増田寛也氏(64)を推薦することを決めた。政党の支援なしに出馬する元防衛相の小池百合子氏(63)との保守分裂選挙になる見通し。