日航の定時運航と空の安全を支えるグランドハンドリング 空港で活躍する特殊車両も紹介 (4/4ページ)

  • トーイングカーの運転席に収まる酒井さん。一般的な乗り物よりもはるかに視点が高い
  • 航空機の前輪にトーバーを取り付けて、プッシュバックの準備をする酒井さん
  • 作業中に笑顔を見せる酒井さん。この日の気温は35度近くあった
  • 隣同士のスポットから同時にプッシュバックされる2機のボーイング。まったく同じタイミングは珍しいそうだ。手前のトーイングカーを操縦するのは酒井さん
  • 隣同士のスポットから同時にプッシュバックされる2機のボーイング。まったく同じタイミングは珍しいそうだ
  • 隣同士のスポットから同時にプッシュバックされる2機のボーイング。まったく同じタイミングは珍しいそうだ
  • プッシュバックをするトーイングカー。機材の方が圧倒的に大きい。操縦するのは酒井さん。
  • プッシュバックを終えて片付けをする酒井さんの横を、滑走路に向けて走り出した鹿児島行の航空機
  • プッシュバックを終え、トーバーを取り外してトーイングカーの中に格納する酒井さん
  • プッシュバックを終えて駐機場に戻ってくる酒井さん
  • トーイングカーを運転する酒井さん
  • 大型特殊車両は運転席によじ登るだけでも一苦労
  • 航空機とトーイングカーをつなぐトーバー
  • ハイリフトローダーを到着便に寄せるグランドスタッフ。これからコンテナの搭降載を行う
  • コンテナはハイリフトローダーによって降ろされていく
  • ハイリフトローダーからコンテナドーリー(荷台)に取り降ろされた貨物
  • トーイングトラクターに連結されたコンテナドーリー(荷台)の上に貨物を並べていく酒井さん。重いものは1トンにも達するそうだ
  • トーイングトラクターでコンテナを運ぶ酒井さん
  • 機内食を積んだフードローダー
  • ハイリフトローダーによる貨物の取り降ろしと積み込み、フードローダーによる機内食の積み込みなど一度に様々な作業が行われている
  • 地中から蛇腹状のホースを取り出す酒井さん。これは外部エアコンを供給するためのエアーダクト。駐機中にエンジンを切っているとエアコンが使えないため、地上施設から冷気を送って機内温度を調整する(温風も送風可能)
  • 隣のスポットでもプッシュバックが行われていた
  • トーイングカーのインパネ。様々な計器類がある
  • 前輪付近で電源コネクタを差し込むスタッフ。これは地上から電源を供給するための作業。これにより駐機中は航空機のエンジンを作動しなくても機内の照明や電子機器などが使えるようになる
  • 給油車を使って翼の下から燃料を供給する
  • 搭乗が遅れた乗客の手荷物をベルトローダーで積み込むグランドスタッフ
  • JALグランドサービスの酒井ゆりさんと、“相棒”のトーイングカー
  • 貨物列車のように、連結した荷台にコンテナを積んで走るトーイングトラクター。飛行場でヘビのように走っているあのクルマだ
  • 手荷物を運ぶトーイングトラクター。車両の後ろにコンテナドーリーと呼ばれる荷台を連結してヘビのように走らせる
  • トーイングトラクターのインパネ。このトーイングカーはトヨタ製だった
  • トーイングトラクターはオートマ。ハンドル、アクセル、ブレーキとギアがあり、運転感覚は自動車と似ているそうだ
  • 大型機をけん引/プッシュバックするトーバーレストラクター。航空機の前輪をこの車両で抱え込んで行う
  • これはトーバーレストラクターという牽引車。航空機につなぐトーバーがない代わりに、機材の前輪をこの車両が抱え込んでトーイングやプッシュバックを行う
  • トーバーレストラクターの運転席。ハンドルが前後にあるため、シートの向きを変えるだけで牽引とプッシュバックが簡単にできる
  • トーバーレストラクターの運転席
  • JALグランドサービスの酒井ゆりさん。羽田空港で航空機の安全な運行を支えている


 グランドスタッフを志したきっかけとは?

 酒井さんがグランドハンドリングに興味を持つようになったきっかけは、修学旅行の時に乗った飛行機の真下で働くグランドスタッフを見て「カッコいいな。飛行機の近くで働きたいな」と思い始めたからだという。その後、航空専門学校に進学。在学中にJGSのインターンシップに参加し、現場の作業やスタッフの雰囲気など総合的に見て「ここがいい」と感じたそうだ。卒業前にトーイングカーの運転に必要な「けん引免許」と「大型特殊免許」を取得してからJGSへの入社を果たした。

 はたから見ていてもかなりの力仕事だが、「今は体力がついて慣れました」という。とはいえ、常にイレギュラーな条件に振り回されるハードな現場。「到着便が遅れて入って来たときに、出発時間に間に合わせないといけないときは大変です。なるべく定時で出そうと頑張っているので、時間がない中での作業は難しいですね。天候にも左右されます」と語る。

 勝手に“男社会”のイメージを持っていたが、「最近は女性スタッフも増えてきて、いまではたくさん後輩がいます」。家族や友人たちは「飛行機のそばで仕事をしているってかっこいいね」と言ってくれるそうだ。

 酒井さんにとってこの仕事の魅力は何だろうか。「飛行機の運航は同じ状況がひとつもないことが魅力かなと思います。また、飛行機をしっかりと定時で出したり、お客様に手を振ってお見送りをした時が一番嬉しいです」。

 今度、飛行機に乗るときはぜひ窓の下を覗いてほしい。きっと作業を終えたばかりのグランドスタッフたちが充実した表情でみなさんに手を振っているはずだ。「お客様が手を振り返してくれたときは嬉しいです。こちらからけっこう見えているんですよ」

動画はこちらから

【非常に珍しい2機同時のプッシュバック】