一方で、アマゾンなどのインターネット通販や電子書籍市場は拡大傾向にあり、書店の経営環境は厳しい。
そんな中、取次大手のトーハンは、取引先書店の商品や売り場構成を提案する「ほんをうえるプロジェクト」を25年に始めた。「土を耕し、種を植え、水をやるように、手間をかけて本を売る環境を整える」(同社広報)という。
6月21日の「父の日」には「父、缶動。」のキャッチコピーを入れたパネルを作製。オリジナルの缶詰と写真集などを並べて売るというユニークな企画を提案したところ、全国の約30書店が実際に特設コーナーを設置したという。
7月には涼しさを演出する金魚をテーマにした書籍コーナーも提案。担当者は「大きなスペースがなくても、売り方や話題作りで、情報発信基地として書店を応援したい」と話す。
「出版不況」の打開に向けた新ビジネスの挑戦に今後も注目が集まる。