梅田の店舗は営業面積約3300平方メートル。書籍約20万冊のほか、雑貨も並ぶフロア全体に約500席のいすやソファを配置。フロア内のカフェや各種サービスのテナントを客が自由に行き来できる“滞在型書店”だ。ビジネス、文学、旅行、写真など専門分野に通じた店員「コンシェルジュ」も客からの相談に丁寧に応じている。
特にビジネス街の立地を重視し、「新たな働き方」に関連した書籍がフロアの3分の1を占める。タブレット端末やスマートフォンの契約、アフターケアのサービスを受けることができるほか、貸し会議室や靴磨き専門店などもある。
小笠原寛館長は「ネット時代に、ただ本を並べるだけでは売れない。新たなテーマ別の売り場構成やライフスタイルを提案し、来店した客に“気付き”のある店舗を目指す」と話す。
売れる環境づくり
公益社団法人「全国出版協会・出版科学研究所」によると、26年度の書籍と雑誌を合わせた推定販売額は計約1兆6千億円で10年連続、前年割れとなった。ピークの8年(計約2兆6千億円)から急速に市場が縮小している。