「取り残される」危機感
ビートルズの曲は68年に自ら設立したアップル・コアと音楽会社のEMIが管理しているが、これまではネット嫌いで知られ一線を画してきた。2003年に米アップルがダウンロード方式の「アイチューンズ・ストア」を開始した際には、従来のCD販売を重視し提供を拒否。10年にようやく提供を始めた。その後台頭したストリーミングにも抵抗してきた。
ところが、ビートルズといえどもCDが売れないのはもちろん、米調査会社ニールセンによると、ダウンロード販売も昨年の約120万枚から今年は約90万枚まで25%も激減。同じようにストリーミングをかたくなに拒否していた往年の名バンド、レッド・ツェッペリンなどが提供に踏み切るなか、「取り残されるとの危機感」(業界筋)から決断に至ったというのが真相のようだ。ただ、新作アルバム「25」が記録的なヒットとなっている英女性歌手、アデル(27)は配信を拒否している。
米音楽誌ビルボードの上級エディター、アレックス・ゲイル氏は米メディアに「王者の楽曲を獲得し、ストリーミングも業界の王者の地位を獲得するだろう」と指摘した。(SANKEI EXPRESS)