2015.11.6 08:00
規定盛り込み一般的
政府が発表した協定案は、これまで公表していた資料よりも詳しく、実際の条文に近い全章の概要だ。注目を集めたのが、発効から7年経過した後、関税や緊急輸入制限(セーフガード)に関して米国やカナダなど5カ国との間で「協議を行う」とした規定だ。
この条項では、これまでの合意内容にかかわらず、将来的に農産物などの市場開放を追加で迫られる可能性がある。相手はこのほかオーストラリア、チリ、ニュージーランドといった農業大国ばかりだ。
だが、政府対策本部の渋谷和久内閣審議官は「(2国間の)経済連携協定(EPA)で見直し規定を入れるのは一般的で、日豪EPAでも入っている。特定品目の関税だけ取り上げてなんとかしてくれと言われても、応じられない」と述べた。
ほかにも複数の章に出てくる「見直し」や「追加交渉」に関する規定は「主に今回の合意では踏み込みが足りなかった途上国や、合意内容が及ばない米国の州政府を念頭に置いたものだ」と説明した。