【尼さんの徒然説法】
澄み渡る秋空に赤トンボの群れ。電線にトンボが並んでいる様子は、まるで沢山のリボンがくくりつけられているようにも見えます。また車のワイパーや物干しざお、中には頭に止まるトンボもいます。しばらく休んだあと、ボロボロになった羽でまたついっと飛び、残り少ない命を懸命に生きようとしているトンボたちの姿。神無月の情景は悲しくも美しいものです。
災害時に尽力
中学生の頃、私は毎日自衛隊駐屯地の前を通って通学していました。「親が自衛官」という同級生も多く、自衛隊はとても身近な存在でした。多くの隊員を乗せたホロ付きのトラックが国道を通るとき、制服姿の私たちに笑顔を向ける日焼け顔の隊員さんたち。その頃はどんな大切な存在かを実感してはいませんでしたが、ただ「この人たちが日本を守っているんだな」と漠然とながらも誇らしく思っていたものです。