今回、幸運にもケープタウンで『ヴァン・ド・コンスタンス』の10ビンテージ(87、92、94、01、04、05、07、09、11、12)を試飲するチャンスに恵まれました。実はこのワイン、1685年創業の元祖コンスタンシアの流れをくむクレイン・コンスタンシアが初期の記録をもとに研究を進め、300年前に使われていたと思われるオリジナルの株を選択して、復活させたもので、初ビンテージは1986年です。
色調は黄金色でアロマティック、アプリコットのような酸があり、ねっとりとした味わいは口中に長く残りました。なかでも2007年と2009年の複雑味と凝縮感は秀逸でした。
歴史上の人物をときめかせてきた伝説の甘口ワインの再現で、南アワインの底力を再認識することができました。(ワインジャーナリスト 青木冨美子/SANKEI EXPRESS)