東京女子大の広瀬弘忠名誉教授(災害・リスク学)は常総市の対応に一定の評価を示す。
それでも多くの住民が取り残され、救助を待つことになった。
明治大の中林一樹特任教授(都市防災学)は「完璧に避難させることが理想だが、豪雨が続いたり、周辺の道路が冠水したりすれば難しい。高齢者など個別の事情もあるのではないか」と指摘する。
一方、広瀬氏が実施しているアンケートでは、地震などに比べると洪水への警戒感は低い。大規模な洪水被害は近年、少なくなっていることが影響しているとみる。
急勾配の鬼怒川は、昭和初期にはたびたび氾濫していた。「住民の記憶が風化していた可能性があるが、行政は危険性を認識していたはずだ。どこまで住民に周知していたのか、検証していく必要がある」と話した。(SANKEI EXPRESS)