【大人の時間】
百貨店の屋上が様変わりしている。かつては子供向け遊具が並んでいた広いスペースが、緑豊かな庭園や野菜作り、バーベキュー、キャンプなどを楽しめる場所に変化。憩いの場を求める顧客を呼び込み、売り上げ増につなげようと各店が知恵を絞っている。
絵画イメージし空中庭園
西武池袋本店(東京都豊島区)の屋上。7月初め、小雨が降る中、モネの絵画などをイメージして造った「睡蓮の庭」では傘を差しながら写真撮影する客の姿も。
4月に改装オープンし、面積約5800平方メートルに「食と緑の空中庭園」を新設した。都会での憩いの場として、ゆっくりと滞在してもらおうと庭園を造り、11飲食店と屋上を案内するコンシェルジュを置いた。すべてを一新するのではなく、根強い人気がある老舗店は残した。
1968年から屋上で営業するうどん店「かるかや」で34年間働く金子文子さん(71)は「昔はメリーゴーラウンドがあって、小さな子や高校生がたくさん来た。学食みたいだった」と振り返る。2005年に遊具を撤去。閑散とした時期もあったが、飲食店も増え、活気を取り戻した。