菱沼店主はシャブリについて「和食と相性が良く、キレのある酸とミネラルが特徴です。食事と合わせると毎回口中をリフレッシュさせてくれます」とコメントしていました。季節感を重視した一品一品に7種のシャブリを合わせたのですが、その極めつけが双方の“酸”を生かした前述の組み合わせ。料理だけを食すと、梅干しのクエン酸をどっと感じます。でも昆布のうまみを生かした鯛に梅肉ソースをつけ、『シャブリ・プルミエ・クリュ レ・フルノー ドメーヌ・ルイ・モロー2011』を合わせると、なんと、酸vs.酸がなじみ、口中まろやか。その後、新たな酸が再生してくる印象なので、舌がきれいに洗い流されていきます。
ルイ・モロー代表いわく「西洋人にとって梅干しは驚きの食材ですが、合わせることで新たな発見がありました」。食の世界の境界線を取り去ってくれたシャブリ、梅干しと合わせれば、梅雨期には最強の存在です。(ワインジャーナリスト 青木冨美子/SANKEI EXPRESS)