【ワインのこころ】
《毎週木曜日にコラム「ワインのこころ」を連載中のワインジャーナリスト、青木冨美子さんが4月26日から1週間、ドイツワインの有名産地である南ドイツのファルツとバーデンを訪れた。今回は「ワインのこころ」拡大版として、両産地を活気づけている新世代の動きを報告する。》
ぶどう栽培地の北限にあるドイツに追い風が吹いている。気候変動の恩恵によるワインの変化と若手醸造家による新たなうねりである。
ファルツとバーデンではドイツの固有品種リースリングと黒ぶどうのシュペートブルグンダー(=ピノ・ノワール)をメーンに探求したが、温暖な気候に恵まれている両地域のぶどうは完熟し、凝縮感のあるワインが数多く生産されている。特に、赤ワイン(シュペートブルグンダー)の変化には目を見張るものがある。
ドイツには13の特定ワイン生産地域があり、ファルツは国内で2番目に大きなワイン産地である。