4日にはソウル市長が政府対応に不満を示し独自対応を取ると宣言。朴氏は自治体の独自の動きに不快感を示し、政府と自治体の間に亀裂も生じた。ある自治体首長が、フェイスブック上で感染が疑われる人の個人情報を公開し、物議を醸す出来事もあった。
政府は7日になり感染者が出た病院名を公表したが、すでに多くの人が感染のリスクを知らないまま病院から移動しており、追跡は困難になっている。
北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の開発を誇示するなど緊張が高まる中、朴氏は16日に予定していたバラク・オバマ大統領(53)との首脳会談で、米韓同盟の強固さをアピールする狙いがあった。
MERS感染が広がる中でも「外交優先」との声は政権内で強かった。しかし、昨年4月の旅客船セウォル号沈没事故で対応に失敗した朴政権にとり「国民の安全」は繰り返し強調してきた最重要課題。感染が広がるにつれ、外遊のハードルは徐々に高まっていた。