韓国保健福祉省は10日、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスに感染した2人が死亡し、新たに13人の感染が確認されたと明らかにした。韓国大統領府はこの日、感染拡大への対応のため、朴槿恵大統領(63)が14日から予定していた訪米を延期すると発表した。
韓国での感染者は108人、うち死者は9人となった。拡大に歯止めがかからず、日本も水際対策の一段の強化を迫られそうだ。
新たな死者は男性(62)と女性(75)で、肝がんなどを患っていた。この2人と新たな感染者のうち10人は、中東から帰国した韓国初の患者(68)から感染した男性(35)が転院していたソウル市のサムスンソウル病院で感染した。
この男性は5月27日に肺炎のような症状でこの病院に入院。病院は、男性が院内感染者がすでに出ていた平沢聖母病院で治療を受けたことを認識しながら感染を疑わず、隔離措置を取らずに2日間一般の処置室に入院させていた。この間に処置室を訪れた医師らが次々と感染した。
サムスン病院での院内感染者数は47人で、今後この病院での感染者の追跡と隔離が大流行阻止の成否の鍵を握る。新たに分かった感染者のうち2人はこの病院で受診後にソウルの複数の病院を訪れており、接触した人の確認作業が続いている。