雪と氷に閉ざされた真冬のアラスカを横断する犬ぞりレース「アイディタロッド・トレイル」が今年も行われた。米アラスカ州最大の都市アンカレジの郊外をスタートし、雪深い森や氷結した湖、ツンドラ地帯の大平原などを駆け抜け、ゴール地点であるアラスカ北西部のベーリング海に面したノームの町へと至る全長1600キロの過酷なレースだ。完走には約9日間かかるという。そりを引く12~16頭の犬たちと「マッシャー」と呼ばれるそりの操り手とのドラマが展開された。
犬ぞり文化とアラスカン・ハスキー犬、歴史ある「アイディタロッド」犬ぞりレースのコースの保存などが目的。3月7日に開会セレモニーが始まり、9日に公式にスタートした。
1600キロのコースのほぼ中間地点にこの犬ぞりレースの名前になっている小さな町、「アイディタロッド」がある。クスコクウィム山脈の山腹を縫うように続く道は「アイディタロッド・トレイル」と呼ばれ、これがレース名となった。もともとはアラスカの先住民イヌイットが使い、その後も海が氷に閉ざされる冬場には犬ぞりで生活用品や手紙などを運ぶ重要なルートとなっていたという。