事業を始めたばかりの頃は、注意力散漫な子、目を合わせたがらない子など実にいろいろな子供がいた。正直不安だった。
ドキドキしながら数週間後にのぞいてみると、子供たちは先生の話を楽しそうに聞いていた。授業中に手を挙げる子も増え、教室からはガヤガヤとにぎやかな声や歌声が聞こえてくる。ホッとしながらも、こんなにも子供たちの顔つき、態度が変わるものなのかと驚いた。
補習授業で、はじめて英語のアルファベットが全部言えるようになった。お友達とおしゃべりをして笑った。補習授業は、子供たちの小さな「できた」の積み重ねだ。その積み重ねが、子供たちのこわばった心をほぐしていったのだと思う。
「あなたは今何の勉強をしていますか?」。英語の授業を訪問した同僚が、生徒の一人に質問した。彼はこう答えた。「僕は、自分の未来をつなぐための勉強をしています」