4人の子供たちのうち3人は就学年齢だが、2人は、ここ1年学校に通っていない。定員いっぱいだったり、学校に行ってもシリアなまりが原因でいじめられたからだ。同じアパートに妹一家が暮らしているが、周りの誰を信用していいのか、誰に悩みを伝えればよいのか分からない。
国際機関の支援で最低限の生活はできるが、働くことは許されていないし、ほぼ一日中、家から出ることはない。「何もすることがなくて、生きがいがない」と彼女は、困ったように、そして悲しそうに笑った。今日を生きるためには、水や食糧、寝る場所のほかに、「生きがい」がこんなにも大切なのだと痛感した。
≪「未来をつなぐため 勉強しています」≫
一向に終わる気配のないシリア内戦は、3月でまる4年を迎える。難民となった人々の多くは、レバノン、ヨルダン、トルコなど周辺国へ逃れた。私が駐在するヨルダンでは、総人口の10人に1人がシリア難民だ。その約2割が難民キャンプで暮らし、約8割がヨルダンのコミュニティーに住む。難民の多くは女性や子供。難民登録している全体の34%程度が、就学年齢の子供たちである。ざっと数にして、20万人以上になる。