2015.3.9 10:50
まるで地の底から静かにはい上がってくるような不協和音とともに、暗闇から9人のダンサーが次第にその姿を現した。曲は、ストラビンスキーがロシアバレエ団「バレエ・リュス」のために作ったという「春の祭典」だ。
踊っているのは、ストリートダンスから派生し、和のテイストを加えるなどしながら独自の世界を確立したダンスカンパニー「DAZZLE(ダズル)」。3月7日から東京・赤坂で始まったダンス公演「バラーレ」で、ストリートダンスという枠を飛び出し、バレエでもコンテンポラリーダンスでもない、ましてやジャズでもモダンでもない、ジャンルを飛び越えた新しいダンスの境地へ至ろうとしている。DAZZLEは「美しさや華やかさで人を幻惑する」という意味。その名のごとく魅惑的な舞台を見せている。
バラーレは、歌舞伎俳優で人間国宝の坂東玉三郎さん(64)が初めてダンスの演出を手がけた作品としても注目される。