2015.3.9 06:00
戦史を振り返ると、国家存亡を賭した強敵との全面戦争(戦略レベル)では後発制人を採用。勝てるとシミュレートした(被害甚大だった戦役もアリ)局地戦(戦術レベル)における敵には、先制攻撃を含む攻勢(先機制人)を選択している。全面戦争の勃発可能性が低下した現在、確率の高い局地戦は戦略目標に格上げされたと観てよい。尖閣諸島(沖縄県石垣市)海域や南シナ海で、中国軍が挑発的な作戦行動を続行している実態と併せ読むと、後発制人という看板は「偽りアリ」どころか、掛け替えたのだ。
しかも指揮・統制・通信・コンピューター・情報・監視・偵察が一元化(C4ISR)された現代戦では、索敵されれば瞬時に殲滅される故、索敵と殲滅は同義と言っても差し支えない。サイバー・電子戦を含め、敵の第一撃を待っての反撃は、もはや戦の体をなさぬであろう。中国は今後も、後発制人戦略を装い世界を油断させ、スキあらば侵攻を繰り返すはず。
伝統の「逃げ足」と「腐敗」
当然中国は、日清戦争敗北を都合よく利用して日本への警戒感をあおり、「戦備を怠るな」と、人民の戦意高揚を謀る。だが慌てる必要はない。中国人は、冒頭述べた「逃げ足」に加え、もう一つ大きな伝統文化を持つ。「腐敗」である。