宮城県南三陸町と聞いて、あなたは何を思い浮かべるだろう。美しいリアス式の地形と海や山の豊かな恵み、活気あふれる復興市など、いくらでも挙げることができるのではないだろうか。
私は「南三陸町ボランティアサークル(MVC)ぶらんこ」を真っ先に思い出す。MVCぶらんことワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)との出会いは、2011年3月11日の東日本大震災の発生から半年ほどたった頃のことだ。
WVJは海外での緊急人道支援の経験を生かし、震災直後から避難所で水や毛布、紙オムツなどの配布や、学校再開支援などを進めていた。活動を続ける中で、南三陸町にはMVCぶらんこという団体に所属して活動するジュニア・リーダー(JL)と呼ばれる中高生がいることを知った。震災により活動拠点の公民館を失ったものの、避難所でも自主的に子供たちのために活動していることを聞いた。
「町のために何かしたい」という熱意と行動力を持つJLの力を生かし将来の担い手である子供たちの意見を、町の復興に反映する機会を設けてはどうか。「南三陸町まちづくりプロジェクト」(通称「まちプロ」)を協働で開始した。