最初の身代金要求の期限が経過した24日夕。首相はヨルダンのアブドラ国王との電話会談で、昨年12月に拘束され、ヨルダン側が解放を求めていたヨルダン空軍パイロットとともに、後藤さんの解放を働き掛けるよう要請し、国王は協力を約束した。
2回目の画像声明に先立つ24日午前。政府は湯川さんを「殺害」したとし、次の要求をヨルダンに収監中の女死刑囚の釈放とする内容を事前に把握。後藤さんの救出に全力を挙げる必要があると判断し、緊急の電話首脳会談につなげた。
その後、ヨルダン側は日本の意向を受け、パイロットと後藤さんの双方と、死刑囚の身柄の「1対2」、イスラム国側の犯罪者を加えた「2対2」交換を材料に妥結点を探った。トルコは、後藤さんらが拘束されていた場所の情報を日本に提供したという。
外交努力が続く中、後藤さん「殺害」映像が流れる2月1日となった。「被害者家族や日本をもてあそぶような悪質極まりないテロ。しかし追跡は不能で交渉ルートもなかった」。政府関係者はこう振り返った。(SANKEI EXPRESS)