【牧野直子の健康ごはん】
ごはんのお供、おにぎりの具、野菜と和(あ)えるなど、オールマイティーに活躍する市販の塩昆布は、わが家の常備品です。昆布を細切りにし、しょうゆや酒、砂糖、みりん、酢、水などを加えて弱火でじっくり汁けがなくなるまで煮たもので、手作りもできます。
昆布はだしを取るときに欠かせませんが、そのうま味はグルタミン酸です。昆布だしはそれだけでもうま味がありますが、さらにかつお節を加えて取っただしは、かつお節のうま味であるイノシン酸が加わり、それぞれのうま味を引き出し合い、相乗効果でよりおいしくなります。
そのイノシン酸は動物性の食品に含まれるうま味。今回は豚肉の下味に塩昆布を使いました。塩昆布の塩けと甘味やグルタミン酸、豚肉のイノシン酸の相乗効果で、よりうま味のある一品に仕上がります。市販の塩昆布の塩分は20%前後(100グラム中に食塩が20グラム入っている)なので、肉や魚の下味として使うなら、肉や魚100グラムに対して塩昆布5グラムくらいが目安になります。
昆布そのものは低カロリーで食物繊維が豊富。また、鉄やカルシウムなどのミネラルも豊富なので、だしを取ったあとの昆布を捨ててしまうのは、非常にもったいないことです。