切ないラブストーリーも織り交ぜて描く米国の50年代の人種差別は、現代の日本での受け止められ方はさまざまだろう。「音楽の力を感じ、一人の青年の生き方を応援したくなる。曲やノリの良さで難しいことを考えずに見ていられて、何かが残る作品だと思います」
ヒューイの「一匹おおかみ」的な生き方に自分を重ねる。子役でデビューした山本は、あえて大きな組織に所属せず、自力で舞台やドラマに映画と活動の幅を広げ、ミュージカルからコメディー、時代劇までこなす実力をつけてきた自負がある。「主流の中の『亜流』でいないと時代は動かない。一人でダメでもやり続ける方が『ロック』を感じます」
原点はチャプリン
40歳を前に、日本の演劇界を「何とかしたい」という思いが募る。「米ブロードウェーから100年は遅れている。(ディスカウントのチケットショップ)TKTSがない、劇場が密集する地域がないとか理由はいろいろあるだろうけれど、舞台俳優になろうと思う人は少なく、劇場まで足を運ぶ若者も少ない」