演出家、蜷川幸雄(79)が取り組んできたシェークスピア悲劇「ハムレット」、主役のハムレットに藤原竜也(たつや、32)が12年ぶりに挑戦する。オフィーリアには蜷川作品に初参加となる満島(みつしま)ひかり(29)を迎え、22日に彩の国さいたま芸術劇場(さいたま市)で開幕する。本場ロンドンでの公演も決定。藤原が「『のるかそるか』の大勝負」と意気込む舞台に、満島は新しい風を吹き込もうとしている。
「年相応」の苦悩
実は今回の舞台は、今年80歳の節目を迎える蜷川に藤原が持ちかけたもの。「僕ももう32歳。次のステップに進むには、蜷川さんとシェークスピアで、と考えた。集大成というには早いけれど、一つの区切りをつけたかった」と藤原は言う。
直接のきっかけは、蜷川が彩の国さいたま芸術劇場で設立した若手劇団「さいたまネクスト・シアター」で演出した「ハムレット」を見たことだった。蜷川は過去8回、ハムレットを上演してきた。その中でも特に熱い、エネルギッシュな舞台に打たれ、またハムレットを演じたいと考えたという。
2003年、21歳の藤原が主演した「ハムレット」は日本演劇史上、最年少と話題になった。